EDA 標準化小委員会

EDA 標準化小委員会の紹介

■EDA 標準化小委員会(EDA Standardization Technical Sub- Committee)

EDA標準化小委員会のミッションは、国際標準化機構(IEC/TC93、IEEE/DASC、IEEE-SA、Accellera、OSCI、Si2等)の標準化活動に対応して、業界の立場から継続的な支援をすることです。
具体的には、関連機関から依頼された各種議案の検討や投票、標準化案の調査検討のための技術エキスパートの選任・推薦などを行っています。併せて、標準化活動に関する啓蒙や当EDA技術専門委員会の活動紹介、アピールも行っています。2003年よりSystemC およびSystemVerilog の標準化を業界として検討・推進する目的でSystemCワーキンググループとSystemVerilogワーキンググループの活動をそれぞれ開始させました。これらのワーキンググループでは言語仕様案に関して国内の意見をまとめて提案するなど、両設計言語の標準化に向け活動をしてきました。また、2007年よりPower Formatワーキンググループの活動を開始しました。このワーキンググループでは、複数提案されているPower Formatの仕様の比較・調査を行い、標準化に関わる国内の意見を取りまとめ、標準化機構へのアピール活動を行いました。2010年度より、LPB・パッケージ・PCB相互設計ワーキンググループを設立し、活動を開始しました。このワーキンググループでは、LPBを統合的に扱う設計環境の実現に向けて、その課題の分析を行いソリューションの提案を行っていきます。(注:SystemVerilogワーキンググループとPower Formatワーキンググループは、 目的を完了し、それぞれ2009年3月、2010年3月に解散しました。)

■EDA標準化小委員会が連携する、主な国際標準化機構

(1) IEC/TC93(国際電気標準会議/デザインオートメーション専門委員会)
IEC/TC93は1992年に設立され、日本の国内委員会は電子情報通信学会内にあり、本EDA技術専門委員会およびEDA標準化小委員会も運営に積極的に参画しています。現在はWG2:ハードウェア設計記述言語、WG6:再利用可能部品ライブラリ、WG7:システムテスト記述言語、JWG11:プリント板の四つのWG(Working Group)が国内で積極的に活動をしています。 特にWG2は本小委員会からリーダおよび多数の委員を派遣しWG 活動をリードしています。また、毎年開催される国際会議にも本小委員会からも多数の委員が出席し、日本の活動をアピールしています。IECではIEEEと連携して、IEEEで規格化された内容をIECとしても規格化するDual Logo のプロセスが進行中であり、最新のシステムLSI の設計記述言語であるSystemCやSystemVerilogは、このプロセスで規格化されました。また、低消費電力設計を効率化するPower Formatに対しても、UPF(Unified Power Format)のDual Logoの検討も行っております。
 
IECの活動は次のWeb Siteで詳細を見ることができます。
http://www.iec.ch/

(2) Accellera
VHDLとVerilog HDLの標準化をそれぞれ推進していたVIとOVIが合併して2000年に設立された標準化推進団体です。Accellera のミッションは「言語ベースの設計自動化プロセスの強化に寄与するシステム、半導体および設計ツール会社に必要とされる標準の国際的な利用および開発を推進する」ことにあります。Accelleraは、VerilogHDLとVHDLで代表される設計記述言語(HDL)に加え検証機能を強化したSystemVerilogの標準化に注力しており、SystemVerilogは2005 年11 月にIEEE std..1800- 2005 として標準化されました。また、最近ではPower Formatの記述言語の一つであるUPFを策定し、IEEE std. 1801-2009として標準化しました。EDA技術専門委員会は、緊密に連携しながら標準化への意見反映を実施し、標準化に貢献して来ました。
 
Accellera の活動は次のWeb Siteで詳細を見ることができます。
http://www.accellera.org/

(3) IEEE/DASC(電気電子学会/設計自動化標準委員会)、IEEE- SA
DASC(Design Automation Standards Committee)、SA(Standards Association)はIEEE傘下の組織であり、電気・電子産業の設計自動化関連の標準化、すなわち、IEEE標準の制定に重要な役割をはたしています。EDA技術専門委員会はIEEE-SAの正式メンバーであり、また、IEEE-DASCにもメンバーを派遣しており、緊密に連携しながら標準への意見反映を実施しています。
 
IEEE/DASCの活動状況は次のWeb Siteで詳細を見ることができます。
http://www.eda.org/
http://standards.ieee.org/db/status/status.txt

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