委員長挨拶

「高付加価値LSIの設計基盤であるEDA技術発展に向けて」

EDA技術専門委員会 委員長 高橋 一浩

 半導体は家電やコンピュータ、自動車などあらゆる機器に使われています。また、自動車への適用例を見るとカーナビゲーションシステムといった情報端末に留まらず、「走る」、「曲がる」、「止まる」という基本機能の制御を担うようになってきており、より信頼性の高い半導体製品が求められています。

 このような状況の中、増大するバラツキを考慮したタイミング設計技術、低消費電力技術、大規模LSIの検証技術など、少ない工数で高品質なLSIを設計する技術の一層の発展が期待されています。これらの技術発展には、国内の半導体産業、大学、官庁間の密な連携が重要であり、海外の関連業界・機関とも国際的な視野で協調、連携を図っていく必要があります。
 EDA技術専門委員会は、電子情報技術産業協会(JEITA)における業界活動組織の一つとして、電子機器の機能・性能を決定するシステムLSIの設計技術に関わる活動を行っています。設計技術およびそれに関わる標準化の動向を調査・検討し、それらの発展・推進を図り、更には国内外の関係業界の発展に寄与することを目的とし、以下の三つのテーマを設定し活動しています。

(1) EDA技術の動向・関連情報の調査検討、課題解決への提案
 ナノ世代物理設計ワーキンググループ(NPD WG)とLSI-パッケージ-ボード相互設計ワーキンググループ(LPB WG)で活動しています。
 NPD WGでは、物理設計における課題の抽出、対策の検討、モデルやフォーマットを含む設計手法の標準化を目的とします。微細プロセスにおける設計課題を予測し、対策の検討、提案を行います。
 LPB WGでは、2011年に提案したLPBフォーマットがEDAベンダーによる採用が進み、2015年国際標準化に向け取り組んでいます。
 本活動の成果は、関係機関・団体との会議や学会・研究会の場で発表し、またアニュアルレポートとして積極的に公開していきます。

(2) EDAに関する標準化活動への貢献
 標準化担当委員を置き、各ワーキンググループの成果を標準化に結び付けるべく、関連する標準化団体・組織と連携して活動を推進しています。
 IEEE/DASC, SAには、コーポレート・メンバーとして参加しています。毎年、米国でのDAC(6月)やDVCON(3月)に合わせて開催されるDASC会議には現地で出席し、日本でのSystemC Japan(7月)などのEDAイベントには、米国から来日する関係者と交流を深めると共に、合同でDASC会議にオンラインで出席しています。
 SystemC / SystemVerilog / Power Formatなど言語関連のWGは、今年度も活動休止となっていますが、投票案件発生時には国内意見を取り纏めIEEEへのフィードバックを行う予定です。

(3) EDA技術および標準化の普及推進のためのイベント実施・支援
 昨年度は,デザインソリューションフォーラム(DSForum: Design Solution Forum)で、EDA技術専門委員会の活動成果を発表し,設計者との交流の場として普及活動を行いました。今年度もEmbedded Technologyなどのイベントを活用し効率のよい普及活動を目指します。

 EDA技術専門委員会は、これらの技術調査・開発、標準化活動、普及活動を通して、日本の半導体産業および関係業界の発展に寄与していく所存です。
 ご関係の皆様には、引き続きご支援のほど、宜しくお願い申し上げます。